厚生労働省は7日、ギリアド・サイエンシズ日本法人の「ベクルリー点滴静注液」「同点滴静注用」(一般名・レムデシビル)を新型コロナウイルス治療薬として特例承認した。原則として重症患者を対象に使われる。新型コロナ治療薬として薬事承認された最初の医薬品。承認の根拠となった臨床試験開始から、わずか2カ月半で承認にこぎ着けた。当面はギリアドが日本政府に薬剤を無償提供し、政府が決めた数量が指定医療機関に供給される。

 同日に開催された薬事・食品衛生審議会の医薬品第2部会で承認了承され、承認申請からわずか3日のスピード承認となった。米国で今月1日(現地時間)に緊急使用許可(EUA)が出たことを受け、日本での審査を簡素化できる「特例承認」を適用して緊急承認に至った。承認条件として、可能な限り全症例を対象とした調査を行うことや、臨床試験以外の申請資料も9カ月以内に提出することなどを求める。

 添付文書によると、効能・効果は「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による感染症」。現時点では原則として重症患者を対象に投与する。1日1回投与する点滴静注剤。体外式膜型人工肺(ECMO)や人工呼吸器を使用していない患者の投与期間は5日までとし、効果不十分な場合は10日まで延長できる。臨床試験で重篤な副作用として報告されている急性腎障害と肝機能障害については添付文書で「警告」として注意喚起し、腎機能・肝機能を毎日検査することを求める。

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