米ギリアド・サイエンシズは1日、新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」について、中等症患者を対象とする第3相臨床試験(P3試験)のトップライン結果を発表した。すでに発表した重症患者の試験と同様、同剤の投与期間を5日間に短縮しても有効性が認められた。だが、症状改善した患者の割合では、投与しない場合と大きな差がなかった。日本も同試験に参加している。

 同社が日米欧アジアで実施しているP3試験プログラムのうち、中等症患者約600例のデータを評価した。新型コロナ陽性で肺炎症状がある入院患者を対象に、同剤を5、10日間投与するグループに分け、標準療法のみのグループと比較した。5日投与群は、標準療法のみの場合より臨床症状が65%改善。だが10日投与群は、標準療法より改善したものの、統計学的有意差はなかった。11日目までに症状が1段階以上(死亡~退院の7段階)改善した被験者の割合は、5日投与が76%、10日投与が70%、標準療法が66%と、大きな差がなかった。

 安全性評価では、各グループの約半数で何らかの副作用があり、グレード3以上は約1割あった。主な副作用は吐き気、下痢、頭痛。

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