米ノババックスはこのほど、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に対応した改良ワクチンを開発し、年明けにも商用生産を始める可能性があると発表した。すでに開発しているワクチンが有効か確認するのと並行して改良ワクチンの初期研究を始めた。

 オミクロン株の感染の足場となるスパイクたんぱく質を抗原に設定し、GMP準拠の商用生産を1月に始める予定。この抗原を使った改良ワクチンの非臨床試験を向こう2、3週間以内に始める。既存のコロナワクチンについても、接種者の血清を使って同株に対する中和活性があるか確認中。

 開発するのは、独自のナノ粒子技術を応用した遺伝子組み換えたんぱくワクチン。効果を増強するアジュバントと合わせて使う。先に開発した既存ワクチンは一部の新興国で承認されているが、米国や日本は未申請。日本では年明けにも供給開始する計画を示していたが、遅れている。

 オミクロン株対応のワクチンは、米ファイザー/独ビオンテックや米モデルナも開発に着手している。ファイザーは現地メディアの取材に対し、100日以内に供給可能にする考えを示している。モデルナも、薬事当局が特例措置を講じた場合は来年3月にも改良ワクチンを承認申請できる可能性を明らかにしている。

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