欧州医薬品審査庁(EMA)は6日、米ファイザーと独ビオンテックが開発している新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」について、販売承認申請に先駆けた「ローリング審査」を始めたと発表した。正式な申請前から臨床試験のデータを審査し、申請後速やかに審査手続きを完了できるようにする。欧州でローリング審査が始まったコロナワクチンは2つ目になる。
ローリング審査は、前臨床試験などすでに解析されたデータを順次入手し、申請前から審査を進めることで早期承認を可能にする制度。EMAは、これまでの非臨床・臨床試験で中和抗体やT細胞の産生が認められていることから、BNT162b2の審査手続きを開始できると判断した。
BNT162b2は、米国などで計4・4万例規模の第2/3相臨床試験が進行中。同日までに約3・7万例登録ずみで、うち2・8万例は2回目の接種が完了。最短で月内にも試験の速報結果が出る見込みだ。
同ワクチンはmRNAを使った遺伝子ワクチン。ファイザーとビオンテックはmRNAの構造が異なる4種類のワクチンを開発中で、BNT162b2はその一つ。残り3種類も米国やドイツなどで臨床試験を実施している。
EMAは1日、英アストラゼネカ(AZ)のコロナワクチンについてもローリング審査を開始したと発表した。
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