米国食品医薬品局(FDA)は23日、米ファイザーと独ビオンテックが承認申請した新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」を正式承認した。これまでは早期の臨床試験データを基に条件付きで使用が認められていたが、通常の新規ワクチン・医薬品と同様に薬事承認された。米国で正式承認された最初のコロナワクチン。国の「お墨付き」を得たことで、企業や大学などが接種を義務づける動きが加速しそうだ。

 コミナティは大規模臨床試験の速報データに基づき、昨年12月に緊急使用許可(EUA)が出て米国で接種が始まった。接種2回目から6カ月間のデータが揃い、今年5月にファイザーが薬事承認を申請。優先審査の結果、前倒しで承認された。

 正式承認と同時に保管条件も緩和。これまではマイナス90~60度Cの環境で最大6カ月保管できたが、9カ月に延長された。若年男性を中心に心筋炎の副反応リスクがあることも添付文書に追記された。

 正式承認を受けて両社は、3回目接種(ブースター接種)についても近く申請する。米国では9月後半から一般向けの3回目接種が始まる見込み。治験データが揃い次第、12~15歳に対する薬事承認も行う。今秋には12歳未満のEUAも申請する予定。

 米国ではこれまで2億回人以上にコミナティが接種された。正式承認されていないことを理由に接種を拒否する人も多かったが、政府は未接種者への接種を一段と推進する。

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