米メルク、米ファイザーは、それぞれが開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬候補の新たな第3相臨床試験(P3)を開始した。メルクは家族などが感染した濃厚接触者に対する予防効果を検証する試験、ファイザーは重症化リスクが低い軽症患者に対する試験を始めた。いずれの試験も日本が参加する。両社とも先に実施しているP3の結果が今秋にも出て、年内に緊急使用などの承認申請を各国で行う予定。

 メルクは「モルヌピラビル」の開発で、同居する家族などが感染した濃厚接触者に対するP3を開始。2週間以内に発症した人の割合などを評価する。日米欧など17カ国以上で約1330人を登録する。1週間以上前にコロナワクチンを接種した人らは対象外。自宅療養者に対するP3も4月ごろから実施している。

 ファイザーは、感染から5日以内で重症化リスクが低い軽症患者を対象に「PF-07321332」の新たなP2/3を開始。抗ウイルス剤「リトナビル」と併用投与し、4週間以内に重症化した患者の割合などを評価する。日米欧などで約1140人登録する。7月には重症化リスクが高い軽症患者に対するP2/3も始めている。

 両社とも先に開始した試験の結果が9~10月に出る予定。いずれも経口剤で、1日2回、5日間服用する治療法で試験が行われている。

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新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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