米モデルナは26日、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン「mRNA-1273」について、第1相臨床試験(P1)の追加データを発表した。高齢者グループの解析結果で、すべての症例でウイルスに対する中和抗体が確認され、回復患者より抗体量が2~3倍多かった。mRNAベースのワクチンでは、仏サノフィと米ベンチャー企業のワクチンも、動物試験で免疫応答が確認された。

 米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種に関する諮問委員会(ACIP)が開催され、モデルナがP1の中間結果を報告した。新たに発表したのは56歳以上のデータ。P3と同じ用量を接種した56~70歳、71歳以上で各10例を解析した。すべての症例で中和抗体が産生され、回復者血清の平均より2~3倍高い抗体価を記録。すでに中間結果を発表している55歳以下と同等の免疫原性があることが示された。重篤な副反応はなかった。

 モデルナは3万例規模のP3を実施中で、実際の予防効果を検証する。今月25日時点で1・5万例超の症例登録が完了した。

 mRNAワクチンでは、米トランスレート・バイオがサノフィと開発しているコロナワクチンも、前臨床試験の進捗が明らかになった。サルを使った動物試験で、2回の接種後に、回復者血清の抗体価の上限範囲に匹敵する抗体産生が誘導されることを確認。1型ヘルパーT細胞(Th1)に依存したCD4T細胞応答も誘導された。両社は11月にも最初の臨床試験を始める予定。

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