米モデルナは、南アフリカなどで検出されている新型コロナウイルスの変異種に対するワクチンを開発する。各国で接種が始まっているワクチンをもう1回投与して追加免疫を図る方法を検討するとともに、南ア系変異種に特化した追加免疫用ワクチンも開発する。同社のワクチンを接種した被験者の血清などを調べたところ、英国系の変異種に対しては従来と同等の中和活性があったものの、南ア系に対する活性は約6分の1に低下した。

 欧米などで接種されている同社のコロナワクチン「mRNA-1273」は、28日間隔で2回接種する用法で薬事承認されている。モデルナは同ワクチンの予防効果が1年以上は持続するとみているが、追加免疫(ブースター)を獲得させるための3回目の接種を検討する。2回目接種から少なくとも6カ月以降の接種を想定している。3回接種によって中和活性が高まるか検証する臨床試験を行う。

 南ア系変異種に対応した新たなブースター用ワクチン「mRNA-1273.351」も開発する。近く前臨床試験を開始し、米国で第1相臨床試験を行う予定。

 同社は、治験参加者の血清などを使い、英国、南ア系の変異種に対するmRNA-1273のイン・ビトロ試験を実施。英国系変異に対しては従来と同等の中和活性があるデータを得たが、南ア系変異では中和抗体量が約6分の1に低下した。ワクチンとしての保護効果があるレベルは維持していたというが、免疫反応が早期に低下するリスクがあるとみて、ブースター・ワクチンの開発に着手した。

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