米リジェネロン・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス感染症に対する抗体療法の開発で、重症の入院患者を対象とする臨床試験の症例登録を一部中断したと発表した。第三者の評価期間から安全性の懸念が指摘された。酸素吸入を必要としない入院患者などの登録は継続する。入院していない患者の臨床試験も続ける。
 入院患者の臨床試験について、独立データモニタリング委員会(IDMC)が一部の症例登録の中断と試験プロトコルの修正を推奨した。詳細は明らかにしていないが、「安全性上の懸念と、好ましくないリスク・ベネフィット」が指摘された。被験者のうち、人工呼吸器や高流量酸素療法が必要な患者の登録を中断する。低流量の酸素療法を受けている患者や、酸素療法が不要な患者の登録は引き続き認めた。また、入院していない軽度~中等症の患者に対する試験も、修正せずに継続してよいと評価された。
 リジェネロンは先月7日、軽度~中等症患者に対する治療薬として米国で緊急使用許可(EUA)を申請。同様の適応でEUA申請した米イーライリリーの抗体療法も、入院患者に対する開発が先ごろ中止された。試験を続けても効果が見込めないと評価された。

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