英アストラゼネカ(AZ)は、新型コロナウイルスの変異株に対応したワクチン「AZD2816」の臨床試験を開始したと発表した。南アフリカで最初に報告されたベータ株などに対応する。年内に速報結果が出て各国・地域で薬事申請する。

 同社が先に開発したコロナワクチン「バキスゼブリア」と同じ技術基盤を使い、ウイルスの目印となる抗原情報をベータ変異株に変更した。抗原となるスパイクたんぱく質の10カ所を変更し、多くが他の変異株との共通部位という。

 第2/3相臨床試験(P2/3)で、被験者への接種を開始した。英国、南アフリカ、ブラジルなど4カ国で約2250人を登録する。バキスゼブリアかメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを2回接種ずみの人には2816を1回接種する。未接種者は4週または12週間隔で2回接種。バキスゼブリアの1回目接種を終えた人は2回目に2816を接種する。安全性や免疫原性を評価する。

 変異株に対応したワクチン開発では、米ファイザー/独ビオンテック、米モデルナも米国などで臨床試験を実施中。

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