英アストラゼネカ(AZ)は8月31日、新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験(P3)を米国で開始したと発表した。約3万例を登録し、ワクチンの感染予防効果などを検証する。すでに英国、ブラジルなどでP3を行っているが、米政府系機関の支援を受けて米国でも大規模な最終治験を始める。日本なども近く治験入りする予定で、全世界で最大5万例規模の開発になる見込み。

 18歳以上の健康成人など最大3万例を組み入れるP3試験を米国でも行う。米生物医学先端研究開発局(BARDA)が開発費用を支援し、症例登録には米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の治験ネットワークも活用される予定。感染が急増しているチリ、ペルーでも実施する。3万例のうち1万例はプラセボを投与し、感染予防効果などをプラセボ群と比較。4週間間隔で2回接種する。

 同ワクチンは既に英国、ブラジル、南アフリカでP3が行われており、日本、ロシアでも近く臨床試験を始める予定。医薬品医療機器総合機構(PMDA)に登録された治験情報によると、日本ではP1/2が計画されている。米国治験も含めると、全世界で最大5万例分の治験データを獲得できる見通し。

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