英アストラゼネカ(AZ)は22日、米国で行った新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験(P3)の中間解析で、発症予防効果を示す有効率が79%だったと発表した。高齢者に対する効果も同じだった。4月中にも米国で緊急使用許可(EUA)を申請する考え。だが同社の発表後、臨床試験の中間評価などを行う第三者機関が、発表データについて懸念を示す声明を発表した。

 米国などで3万2000例超を登録したP3の中間評価で、発症予防効果を示す有効率が79%となった。被験者の約2割を占めた65歳以上に対する効果も同等(80%)だった。また、先ごろ欧州などで報告された血栓の有害事象についても、ワクチン接種による血栓リスクの上昇はないと評価された。

 AZはこの試験データを基に近く米国でEUA申請する方針だが、時間がかかる可能性も出てきた。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が同日、データ解析を行うデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)がAZの発表データに懸念を示したことを明らかにした。古い情報が含まれており、有効性に対する評価が不完全な可能性があるという。

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