関東化学は、新型コロナウイルスの変異株を同時検出する研究用PCR試薬を国内で市場投入した。韓国コジェンバイオテック社製の試薬で、新型コロナウイルスの表面に突き出しているスパイクたんぱく質の3種類の変異に対応している。国内でも変異株が広がりをみせるなか、自治体の衛生検査所など実態調査を手がける機関に採用を働きかける。

 新型コロナウイルスS遺伝子変異株検出試薬「PowerChek SARS-CoV-2 S-gene Mutation Detection Kit」を国内上市した。同試薬は新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質で報告されている「K417N」「E484K」「N501Y」の3種類の遺伝子変異をマルチプレックスリアルタイムPCRで検出。これらを組み合わせることで、英国株、南アフリカ株、ブラジル株などさまざまな系統のウイルスに対応できる。

 リアルタイムPCR装置と組み合わせて用いる。1検体につき1つの反応で3種類の変異を同時検出、約50分と短時間での判定が可能。

 新型コロナウイルスは各国で複数の変異株が確認されている。国内では英国株、南アフリカ株、ブラジル株が徐々に広がりをみせている。これらの変異株は感染力が高いほか、ワクチンの効果が低下するリスクも指摘されている。

 関東化学としては変異株を検出する試薬を国内供給することで、新型コロナウイルス変異株の蔓延防止および調査体制拡充に貢献したい考え。同試薬と自社の検体前処理用試薬「シカジーニアス DNA/RNAプレップキット(ウイルス用)」との組み合わせで提案していくことで、販売面での相乗効果も目指す。

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