英アストラゼネカ(AZ)は25日、米国で行った新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験(P3)について、最新の解析結果を発表した。22日に中間解析の結果を発表したところだが、米当局から有効性に関するデータが古いとの指摘を受けたため、最新のデータに基づく評価結果を報告した。発症予防効果を示す有効率は、全体では22日発表分から低下したが、高齢者の有効率は85%に上昇した。22日の中間結果と同様に有効性、安全性は証明されたとして、AZは近く米国で緊急使用許可(EUA)申請する方針を改めて示した。

 米国などで3万2000例超を登録したP3の主要解析を行い、発表した。2回の接種から2週間後以降にコロナを発症した190例を評価した。全体の有効率は76%で、22日発表(79%)より低かった。一方、65歳以上の有効率は85%で、22日(80%)から上昇した。重症化予防の有効率は100%。安全性の問題もなかった。この結果を根拠に、4月中にも米国でEUA申請する方針。 AZが22日に発表した中間結果については、治験のデータ解析などを行うデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)が、AZの発表内容に「古い情報が含まれており、有効性に対する評価が不完全な可能性がある」とのコメントを発表。これを受け同社は、48時間以内に最新の解析データを発表すると表明していた。

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