米国食品医薬品局(FDA)は今後、新型コロナウイルスワクチンの新たな緊急使用許可(EUA)申請を却下する可能性があることを発表した。同ワクチンのEUAに関する指針を更新し、現時点で当局と協議を始めていない申請は受け付けない方針を示した。米国内でワクチン接種が進み、米ファイザーなどがEUAから通常の薬事承認の申請に切り替え始めたことが背景にある。

 EUAは、緊急時に特定の条件を満たす医薬品やワクチンなどを迅速承認する制度。通常の薬事承認と異なり、感染症のパンデミック(世界的流行)中など期間限定で製造販売が認められる。

 FDAは25日付で指針を更新し、現時点で協議入りしていなければ、今後、EUA申請を受理しない可能性があることを明らかにした。その場合、通常の新薬・ワクチンと同じ薬事承認を申請することになり、必要な試験データや開発期間がEUAより多くなる。治療薬や診断薬などは指針変更の対象外。

 これまでにEUAが出たコロナワクチンは、ファイザー、米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の3剤。英アストラゼネカや米ノババックス、田辺三菱製薬の子会社メディカゴも、未申請だがFDAとの協議は始めている。

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