米国での新型コロナウイルスワクチンの実用化が、当初より遅れる見込みになった。米国食品医薬品局(FDA)は、コロナワクチンの緊急使用許可(EUA)申請に向けたガイダンスを改定し、臨床試験で最低限の安全性を評価するための期間を規定した。接種完了から2カ月以上の観察期間を求める。トランプ米大統領が大統領選前のEUAを主張してきたが、選挙後にずれ込むことが決定的になった。

 FDAは今年6月、コロナワクチンのEUA申請で求める臨床試験や製造などの要件をまとめたガイダンスを出している。この一部を変更した改訂版を6日付で公表した。最大の変更点は、安全性の評価期間を設定したこと。2回目の接種が終わってから最低2カ月分の安全性データを確認したうえで、EUA申請を検討するよう求める。

 FDAは今月22日、ワクチンに関する諮問委員会を開催し、コロナワクチンの有効性、安全性評価や市販後調査などの方針を議論する予定。個別のワクチンの承認に関する審議ではないとしている。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る