米テラデータの日本法人、日本テラデータは情報通信技術(ICT)による新型コロナウイルス対策の浸透を図る。データ分析企業である同社は中国においてICTによる対策に貢献ずみ。日本政府や企業がICTでの感染抑制を模索するなか、中国でのノウハウ活用に加え、日本社会により適切な新型コロナウイルス対策を提案していく。

 同社は通信データ分析を中心に、中国における新型コロナウイルス感染予防に貢献している。ローミングデータや基地局データ、SIMカード、公共交通などからデータを吸い上げ、位置情報の分析、移動経路の特定、高リスク群の特定、感染シミュレーションの作成、従業員の感染リスク分析などを行う。その結果、SMS(ショートメッセージサービス)による感染予防情報発信、行動追跡コード、事業再開支援、感染状況把握および政策判断支援が可能になる。

 感染追跡については中央政府、地方政府、通信会社などに感染追跡ツールにかかわるインフラや分析を提供する。感染予想については、感染リスクの高い地域からの人口移動状況を分析し政府の感染状況の把握、感染予防政策を支援している。

 中国で得られたノウハウを日本でも活用する考え。日本で検討されている接触確認アプリは、他者のスマートフォンとの接近を匿名IDとしてスマホ本体に記録する仕様になるといわれている。同アプリは、ブルートゥースによる端末近接の有無が濃厚接触および匿名IDと定義されているため、端末位置情報や交通情報など、中国のような複数の情報ソースをもとにしたデータ分析が活用できない。

 同アプリ受容者が陽性となった場合、陽性登録を促され、このタイミングで匿名IDを保存した時間と端末位置情報システムを連携できれば、プライバシーを担保したうえで、共通暴露源についての探索が可能になる。匿名化されているため、一般利用者本人へのフィードバックはできないものの、行政によるクラスターレベルの把握が実現する。公衆衛生局においては時間と場所、データを含んだ複数の情報を分析することでクラスターの中心や広がりを把握できる。

 同社は中国で毎日20テラバイト以上のデータを分析ずみ。提供したソリューションは99%以上の正確さだったという。こうした実績を背景に日本での提案を推進していく。

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