米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、新型コロナウイルスワクチンの国際第3相臨床試験(P3)で、接種1回による中等症~重症の予防効果が66%だったと発表した。米国や中南米などで4万4000例近くを登録した治験。南アフリカの感染例では最近増えている変異種がほとんどを占めている。米国では今週中に緊急使用許可(EUA)を申請する。日本では昨秋から2回接種の国内治験を行っており、海外P3データと併せて申請される見込み。

 米国、中南米、南アで実施しているP3の中間結果。18歳以上の成人4万4000例近くを登録した。3割超が60歳以上、約4割が基礎疾患があった。中等症~重症の発症予防効果を示す有効率は、ワクチンを1回接種してから28日以降で全体平均66%。米国に限定すると72%、中南米は66%、南アは57%だった。各地域とも複数の変異種による発症例が含まれており、南アの症例の95%は同国で急増した変異種の感染だった。入院や死亡にいたった症例はなく、重症化の予防効果としては有効率85%。全体の発症例は468例あったが、内訳は明らかにしていない。

 J&Jのコロナワクチンは、アデノウイルスベクターを使ったワクチン。通常の冷蔵庫(2~8度C)だと3カ月以上、マイナス20度C環境だと2年間保存が可能という。

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