JNCと東京農工大学は24日、共同開発した迅速・高感度免疫診断技術「AptIa(アプティア)法」で、新型コロナウイルスの検出に成功したと発表した。JNCの熱応答性磁性ナノ粒子「サーマ・マックス」と農工大の池袋一典教授が開発したDNAアプタマーによる抗原認識試薬を利用。検体と混ぜ合わせ、最短15分で判定できる。診断薬メーカーなどに協力を呼びかけ、商品化を目指す。

 磁性ナノ粒子、試薬、検体を混合し、それによってできた複合体粒子の凝集挙動変化(濁度)をみることで、新型コロナウイルスが有する抗原のスパイクたんぱく質の有無を判定、診断する。感度は酵素結合免疫吸着法(ELISA)に比べ最大10倍程度。従来の抗原検査キットでは2種類の試薬が必要だが、アプティア法では1種類のDNAアプタマーで可能だ。

 表層抗原たんぱく質を標的とするため、遺伝子変異した時でも対応できる。表層抗原に変異が起きた場合も、抗体と比較して迅速な分子設計と人工合成を行うことが可能だとしている。

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