KMバイオロジクスは、開発中の新型コロナウイルスワクチンの国内治験を開始する。3月の接種スタートに向けて準備に入った。第1相/第2相臨床試験(P1/2)として実施し、安全性を確認後、来年度中には第3相臨床試験(P3)入りする見通しだ。併せて、生産体制の構築も急ぎ、来年度末までに「半年で3500万回接種分のワクチンが供給できる体制を整える」(同社)。

 治験を始めるのは同社が国立感染症研究所(感染研)、東京大学医科学研究所(東大医科研)などと開発している不活化ワクチン。順調に進めば、国内企業ではアンジェスなどに続く治験となる。被験者数などP1/2の試験デザインの詳細については明らかにしていない。

 国内有力ワクチンメーカーであるKMバイオは、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、昨年5月、新型コロナウイルスワクチンの開発に乗り出すことを発表。「研究開発の優先課題」(永里敏秋社長)に位置づけ、実用化を急いでいた。早ければ昨年末にもP1/2に入れるとの見込みもあったが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議を進め、今回のようなスケジュールで固まりそうだ。

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