医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)は、新型コロナウイルス感染症の治療薬・ワクチン開発をサポートするデータベース(DB)を構築する。新型コロナウイルスに感染した国内の患者から採取した遺伝子や免疫細胞、抗体データ、画像情報などを集積する。まずプロトタイプの準備を急ぎ、国内研究機関、病院、企業などが利活用できる体制を整備し、治療薬やワクチンの実用化を後押しする。

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「人工知能(AI)ホスピタルによる高度診断・治療システム」の一環。同研究所が研究統括機関を務め、新型コロナウイルス感染症についての新たな連携型DBを立ち上げる。すでに国内の各研究機関などに協力を呼びかけており、患者に関する医療情報や臨床検体の解析データの収集に乗り出した。

 急性期から回復期にかけての患者の血液や気道液などの解析結果、診療データ、胸部などの画像情報などを集める。ウイルスのゲノム情報、ヒト遺伝子多型と発症や病態の相関、各種免疫細胞の応答や機能の変化、重症化に関わる因子、抗体の産生などを提供し、効率的な治療薬やワクチンの開発に結び付ける。

 また、SIPの成果を活用して、画像検査での早期診断、重症化の予測につながるAI技術確立も目指す。例えば、新型コロナウイルス感染症の画像所見を定量的に解析するAIなどを検討している。

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