医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)は19日、新型コロナウイルス感染症感染者の診療・検体解析情報の提供を始めると発表した。NIBIOHNが国内23医療機関から収集した1778症例の情報をデータベース(DB)に登録し、研究機関や企業などが使えるようにする。さまざまな診療・検体情報を参照できるようにすることで、病態解析、治療薬やワクチン、診断薬の開発を後押しする。

 登録データの内訳は、血液など臨床検体の解析情報が付随するもので163例、胸部コンピューター断層撮影(CT)画像が付随するもので1615例。軽症者から重症者までカバーし、急性期から回復期までの情報を時系列で追うことができる。抗体など免疫情報も収載している。

 データ内容に応じて、利用方法を定めており、匿名加工した情報は申請・審査を経て使える。個人の識別が可能な情報は、必要と認められる場合のみ、NIBIOHNと共同研究というかたちで利用可能。DBの概況を示したカタログ情報を24日にNIBIOHNホームページ上で公開し、利用受け付けも開始する。

 今後、厚生労働省が有する関連DBとも連携を図る方針。ウイルスゲノムの解析情報は、国際DB「Global Institutive on Sharing All Influenza Data(GISAID)」にも登録予定だ。

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