医薬品医療機器総合機構(PMDA)は新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の進め方やどう有効性・安全性を評価するかの指針を公表した。ワクチン開発は海外が先行し、政府も製薬会社と供給合意の契約を結んでいる。PMDAは民族的要因の差がワクチン効果に影響する可能性があることから、海外で大規模試験が実施される場合でも、国内で日本人を対象に発症予防効果による有効性と安全性を検討する必要性を示した。

 ヒト初回投与試験および第3相臨床試験に移行する考え方は、6月に議論された薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)の議事内容を参考にする立場を示した。プラセボなどの比較群を設定し、無作為化、二重盲検での試験で有効性や安全性を評価する必要があるとし、観察期間は「少なくとも1年間」を求めた。被験者数についてICMRAは「数千人規模」と例示したが、PMDAは「適切に評価できる被験者数」とした。

 有効性の主要評価項目は、原則として発症予防効果としており、そのほかの評価項目としてウイルス学的・血清学的手法により確認できる感染、動脈血酸素飽和度、酸素療法の要否などを挙げた。海外での大規模試験で発症予防効果を検証したワクチンの日本での試験は、免疫原性および安全性の確認で十分な場合があるとも明記している。

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