日本板硝子は、抗ウイルスガラスの開発プロジェクトが英国の「新型コロナウイルス感染症緊急対応イノベーション基金」の助成金対象に選ばれた。ガラスに特殊なコーティングをすることで新型コロナウイルスを低減する技術の開発に生かす。現在は代替ウイルスによる評価試験を進めている。
イノベーション産業助成機関「イノベートUK」が主催する同基金の公募に参加し、助成金を獲得した。同国に置くグループの研究開発機関を中心に、ガラス表面に付着したウイルス量を低減させるコーティングを施したガラスの開発を進めている。
代替ウイルスでの試験で効果が証明されれば、新型コロナウイルスを使った試験も実施する予定。完成すれば、公共の建物や交通機関などでの採用が期待できる。同社ではこれまでに、酸化チタン光触媒膜付きガラスに銅系化合物を形成して膜を複合化した抗菌・抗ウイルス性ガラスを開発した経験がある。今回は新しい技術での開発を目指す。