スイス・ロシュは、中外製薬が創製した抗体医薬「アクテムラ」を新型コロナウイルス感染症治療薬として開発する臨床試験で、主要評価項目を達成したと発表した。

 試験は重症患者約380例を対象に米国などで実施。28日目に人工呼吸器を使用している患者と死亡の割合を主要評価項目とし、アクテムラ群(12・2%)は偽薬群(19・3%)と有意差が認められた。死亡率や症状の改善度などを設定していた副次的評価は未達だった。

 アクテムラの最初のコロナ向け試験では、主要評価項目に据えた症状の改善度で偽薬群と有意差がなかった。ロシュはこれらの試験結果を各国の薬事当局と共有するが、承認申請手続きの方針は明らかにしていない。

 アクテムラは新型コロナで重い肺炎を起こす「サイトカインストーム」に対する有効性が期待されている。

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