東京大学医科学研究所(東大医科研)と日本IBMは8日、新型コロナウイルスの変異状況などをモニタリングできる新システムを開発、運用を始めたと発表した。これまで世界で公開されてきた新型コロナウイルスのゲノム情報を活用。どのような変異がどう広がっているかを監視・分析し、注意が必要な変異株の発見や感染経路の推定を行い、感染拡大の防止につなげる。

 IBMのシステムをベースに開発を進め、国外からの新型コロナウイルスの流入時期や感染経路を把握するための新機能を搭載した。東大医科研のスーパーコンピューターを使って運用する。

 ゲノム解析を通じて、患者から採取した新型コロナウイルスをこれまでの報告例と比べることで、いつ流入し、どう広がっているかを検討できる。また、海外の変異状況と簡単に突き合わせることもできる。

 来月に開催が予定されている東京オリンピックにともない、海外から人流増加が見込まれるなか、変異株をタイムリーに可視化できるようにするのが狙いだ。新たな変異株出現に備えるため、今後、自治体などと協力し、収集・解析したゲノムデータを利活用できる体制構築も目指していく。

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