厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の軽症患者向けに治療薬の治験情報を提供するコールセンターを開設した。まず8カ所の臨床研究中核病院に電話窓口を設け、域内の医療機関から参加可能な治験を紹介する。一部の経口治療薬は最終段階の治験に進んでおり、自宅療養者などに新たな治療の選択肢を提供する。

 新たに陽性診断を受けた患者にコールセンターを案内するパンフレットを配布する。年齢や住所などを元に参加できる可能性のある治験の問い合わせ窓口を紹介する。興味を持った患者は連絡し、スクリーニングのための来院日を治験実施企業などと調整する。

 治験情報は通常、担当医や被験者募集サイトなどを通じて案内されるが、コロナ軽症患者は医療機関の受診機会が制限され、治験情報が届きにくくなっている。厚労省は「まずは治験があるということを知ってもらえたら」と話している。現在、自宅療養者など軽症患者向けの経口治療薬の開発が進んでおり、少なくとも4種類の経口剤で最終段階の治験が行われている。

 厚労省によると、コロナワクチンの開発に対しても何らかの治験支援策を検討する。来年にかけて国内製薬企業による大規模治験が相次ぎ始まる見通しだが、健康なワクチン未接種者などを迅速に確保できるかが課題になっている。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る