H.U.グループホールディングスは21日、鹿島、日立製作所などと共同で新型コロナウイルスの陰性証明、ワクチン接種証明を手ぶらで可能にするデジタルヘルス証明の実証実験を行ったと発表した。日立の保有技術である公開型生体認証(PBI)を用いて、登録情報を指静脈で認証可能にする。今後、建設現場などで実証事例を重ねつつ、オフィスでの実装準備を進める。
紙での陰性証明、接種証明は、なりすましのリスクや常時携帯の必要があるなど不都合な点が多い。同社などはアプリと生体認証を活用した電子的な認証システムを開発、実証実験を行った。
各証明は、H.U.グループが提供するアプリ「ウィズウェルネス」で管理する。自身が許可した施設に都度アプリ連携を行う。PBIの活用により、登録した指を装置にかざすだけで本人を認証できる。生体情報は復元できないかたちに変換し、送信される。情報は端末に残らず、その都度削除されるため、個人情報を強固に保護できるとする。
陰性証明は九州大学と連携して行う。抗原定量検査とPCR検査の双方で検査を実施。同大病院の医師が事前問診を行う「医’アシスト」の診断と併せて、陰性の総合判定を行い、証明を発行する。
今後は、デジタル庁が推進するワクチン接種記録システム(VRS)とのデータ連係や、国際標準「スマートヘルスカード」に準拠したデータ仕様の実装を進める。また、学校や病院、観光地といったオフィスビル以外への展開も目指す。