興和は31日、抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、新型コロナウイルス感染症治療用への適応で、新変異株「オミクロン株」に対しても抗ウイルス効果を確認したと発表した。北里大学と共同の非臨床試験で、アルファ・ベータ・ガンマ・デルタ株といった既存変異株と同等の効果が示された。

 イベルメクチンは寄生虫感染症治療薬として世界で使用されているが、新型コロナウイルス細胞内への侵入抑制と複製阻害という作用が報告されて、治療薬(錠剤)としての応用が期待されている。2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学の大村智特別名誉教授らが発見した抗生物質で、大村氏が興和に直接依頼し、新型コロナ治療薬用として現在、第3相臨床試験(P3)を実施している。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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