スイス・ロシュのセヴェリン・シュヴァン最高経営責任者(CEO)は22日、新型コロナウイルスに対する免疫を調べる抗体検査の一部製品について「信頼できない」との見解を示した。多くの抗体検査キットなどが出回っているが、同社が調べた結果、「使い物にならない」製品もあったという。同社も来月、抗体検査薬を欧米などで発売する予定。

 海外では、指先で血液を採取する簡易検査などさまざまな抗体検査が販売されているが、精度の低さが懸念されている。同社が複数の他社品について精度などを調査した結果、検査薬として信頼できるものはなかったという。

 シュヴァンCEOは同日開催した決算説明会で、「最悪だ。ほとんど使い物にならないか、何の価値もない検査だ」と批判。あらゆる企業が検査薬を開発することは可能だが、「本当に抗体検査として有効なのか検証することは必要」と話した。

 ロシュも来月、自社製品を発売する予定だ。免疫獲得後に増えるIgG抗体などを測定する体外診断薬で、同社の全自動分析装置を使って測定する。来月初めまでに欧州のCEマークや、米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)取得を目指す。日本では5月以降の薬事申請を目指している。

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