2050年のカーボンニュートラル実現に向けて化学産業は転換期を迎えている。汎用化学品は半導体材料や自動車部材といった高機能製品に発展し、エネルギーや原料の転換を進めながら一連のサプライチェーンを維持し強化することが日本の製造業の中長期成長のカギだ。5月に就任した日本化学工業協会(日化協)の福田信夫新会長(三菱ケミカルグループ代表執行役副社長)にどのような方針で臨むのかを聞いた。

■…就任の抱負を聞かせてください。

 「化学は自動車、電機・電子に並ぶ日本の社会基盤を支える重要な産業だ。日化協の会員企業数は180社を超え、業種の裾野は幅広い。その中でまずは『安全・安心』を基本に据えたい。化学産業は素材・サービスの提供を通じて社会課題を解決し、新たな価値を社会に提供する『ソリューションプロバイダー』としての役割が求められている」

 「そのうえで第一の重点課題は、カーボンニュートラルへの対応だ。温室効果ガス(GHG)排出の大きいエネルギーの転換は、日本は自然の制約もあってすべてを再生可能エネルギーに置き換えるのは現実的ではなく、原子力発電の有効活用も考える必要がある。国として、あるいは企業として取り組むべき課題がそれぞれあり、省資源・合理化も従来以上に進める仕組み作りが重要だ」

■…エネルギーや原料の転換に向けて、日化協として具体的に何に取り組みますか。続きは本紙で

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