富士フイルムは28日、バイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)を手がける海外子会社のフジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ(FDB)で新型コロナウイルス感染症ワクチン候補の原薬の製造受託を拡大すると発表した。米政府は新型コロナのワクチンや治療薬開発に対する支援など早期供給を目指した取り組みを加速させている。すでに製造に着手した米ノースカロライナの拠点に続き、米テキサスの拠点でも原薬の製造を開始する。

 新型コロナ用ワクチン候補原薬の大量生産ニーズに対応すべく、テキサス拠点の一定レベルの製造キャパシティーを米保健福祉省傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)のために2021年末まで確保する契約を結んだ。FDBはコロナワクチンを開発する米ノババックス(メリーランド州)から原薬の製造を受託している。

 今後、BARDAから製造設備拡張を含めた約270億円の拠出を受け、ノババックスを含む原薬製造をテキサス拠点で行う。テキサス拠点はバイオテロや新型感染症によるパンデミックなどの非常時に、公共の健康を守るための医療手段を開発・製造する重要拠点の一つとしてBARDAから指定されているという。

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