日本では港湾を起点に発電所、化学、石油精製、鉄鋼など二酸化炭素(CO2)多量排出産業が集積する石油化学コンビナートが形成されている。CO2排出の6割を占めるこれら産業の脱炭素化に向け、国土交通省は「カーボンニュートラルポート(CNP)」構想を、経済産業省は「カーボンニュートラルコンビナート(CNK)」構想をそれぞれ進めている。CNP構想の立案者の1人である自民党の阿達雅志参議院議員(全国比例区)は「両構想を連携させることで、港湾を中心としたコンビナートが日本の脱炭素の戦略拠点となり、コンビナート・ルネッサンスにつながる」と強調する。

 - まずCNP構想が生まれた経緯から教えてください。

 「国土交通大臣政務官時代の2019年に、国際エネルギー機関(IEA)が水素レポート『The Future of Hydrogen』を発表した。同レポートの最初の部分に、産業集積港を中心に水素産業を育成すべきだという提言があった。当時の高田昌行港湾局長と一緒に同提言を日本で展開するにはどうすべきかを考えたのがきっかけだ」
 

「日本の場合、産業集積港がすでに臨海コンビナートというかたちで整備されている。臨海コンビナートに集積する産業の競争力が若干低下してきているなかで、コンビナートのルネッサンスに、港湾を起点とする脱炭素化政策を結びつけようというのが元々の考え方だった。菅内閣のカーボンニュートラル宣言を受け、2020年12月から全国6カ所でCNP検討会が開始されるが、その前から国交省港湾局と経産省・資源エネルギー庁の間でCNP構想の議論が始まっていた。その時から将来的に港湾の脱炭素化とコンビナートの脱炭素化は連携させるという構想があった」

 - 現在のCNP構想の状況は。

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