仏サノフィは、新型コロナウイルスワクチン2つの開発計画についてアップデートを発表した。英グラクソ・スミスクライン(GSK)と開発するワクチンは、9月に最初の臨床試験を開始し、最速で来年上期の薬事承認を目指す。同年末までに年産10億接種を供給可能にする。米ベンチャー企業と開発するmRNAワクチンも来年中に実用化を図る。ワクチン大手であるサノフィの開発・供給計画はほとんど明らかにされていなかったが、当初より前倒しで開発を進める。

 GSKとは、サノフィの遺伝子組み換え技術を応用した抗原と、GSKのアジュバント技術を組み合わせたコロナワクチンを開発。実用化が来年下期になる見通しを示していたが、同上期に前倒しする。第1/2相臨床試験(P1/2)を今年9月に開始し、12月にはP3へ進める。来年1月に米国で緊急使用許可(EUA)を取得し、最速で6月の薬事承認を目指す。量産準備も進め、同年下期には最大で年産10億接種の供給を可能にする考えだ。

 米トランスレート・バイオと開発するmRNAワクチンも、最速で来年中の実用化を目指す。今年11月にP1/2、来年4~6月期にP3を開始できれば、同10~12月期の承認取得も可能とみている。最大3・6億接種を用意する予定。

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