「電子」「健康」「環境」の3分野を成長ドライバーに、ポートフォリオ転換を図る新たな中期経営計画を打ち出したトクヤマ。背景となった課題認識、その狙いや達成に向けた展望を横田浩社長に聞いた。

▼…新中計を策定するうえでポイントをどこに置きましたか。

 「前中計では事業収益力の強化をテーマに据え、工場をフル稼働して製品を売り切ることに取り組み財務を立て直した。しかし、この間に地球温暖化対策に対する社会の認識が一段と強まり、今後はエネルギー多消費型の化成品、セメントという当社の伝統事業が苦しくなる。成長事業が確実に成長しなければならないとの危機感を念頭に、新中計では『価値創造型の企業になる』ことを内外に示した。前5カ年で種をまいた『電子』『健康』『環境』を成長事業に育てる」

 「前中計では将来への種もまいた。対話を通じて顧客ニーズを拾い、迅速に課題解決を提案する組織へ変革するために、研究・開発では資金・人材を事業部門に集中的に投入した。放熱材料事業が育ち、歯科器材や眼鏡向けレンズ関連材料で収益性の向上やラインアップの拡充ができたのは、その成果だ。今後はコーポレート研究・開発、マーケティング機能にも力を入れ、種まきと刈り取りを同時に進める」

▼…成長3事業の売上高比率を2030年度に60%以上にするポートフォリオ転換が特徴的です。思いと手応えをお聞かせください。続きは本紙で

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