三和化学研究所(名古屋市)は、新型コロナウイルスの抗体検査キットを15日に発売する。中国の広州ワンフ・バイオテックの開発品を研究用試薬として日本に持ち込み、初回出荷は5万テスト分を供給する。特殊な検査装置を介さず、検査キットに10マイクロリットルの血液を滴下するだけで15分で抗体検査ができる。疫学調査や免疫研究などの利用を見込む。

 発売する抗体検査キットは金コロイド免疫クロマトグラフィー法を用い、ウイルス感染直後に出現する抗体のIgMまたは回復期のIgGを検出する。国内の医療機関で性能評価を行い、感度(感染者を正しく陽性と判定する精度)86・4%、特異度(非感染者を正しく陰性と判定する精度)99・5%と一定の性能を確認したことから販売を始める。

 三和化学は医薬品卸大手スズケンのグループ会社で、医薬品と診断薬の2事業が柱。抗体検査薬はスズケンの販売網や三和化学の医薬品営業網を通じて売り込む。価格は4万円(20テスト用)。臨床的意義を積み上げるなど薬事申請の準備も進めるという。

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