三菱重工業は医療機関向け陰圧クリーンエアシェルター「Me-CAS」を開発した。内部を大気圧より約3パスカル低い状態に保ち、排気装置の作用で、内部からウイルスの流出を防ぐ機能を備える。新型コロナウイルスの感染対策として、医療機関や関係自治体などに提案していく考え。

 三菱重工が原子力災害時の放射線物質から被ばくを抑制する目的で、帝人フロンティアと共同開発したクリーンエアシェルターをベースに製品化した。医療現場ニーズに合わせ、シェルター内部を陰圧に保つ仕様に変更し、販売に乗り出す。

 標準タイプは重量が約50キログラム、幅8・4×奥行4・4メートル。展張から据え付けまで約5分ですむ。軽量コンパクト型であることが強み。

 内部は陰圧状態のままシェルター形状を維持する。医療用HEPAフィルターを備えた排気システムにより、1時間当たり6回以上(診察エリアは12回以上)の換気が可能だ。感染の疑いのある患者のPCR検査や、診察および発熱者の待機室といった一時的な隔離ニーズにも応える。

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