<来月1日に化学工業日報社主催オンラインセミナー>

 化学工業日報社主催の車載電池セミナー「全固体電池 実用化に向けた期待と課題」(https://www.chemicaldaily.co.jp/seminar/211101/)が11月1日、ライブ配信の形式で開催される。講師は、電池業界で世界的に知られる雨堤徹氏と佐藤登氏。配信に先立ち、現状の全固体電池に懐疑的な立場を取る両氏に、同電池を取り巻く環境や課題、固体電解質の応用展開などについて話を聞いた。(聞き手=加藤木学)

<Amaz技術コンサルティング合同会社代表・雨堤徹氏、液系進化に固体電解質、良いとこ取りめざせ>
◆…全固体電池を取り巻く環境をどうご覧になっていますか。
 「5年ほど前にあるセミナーで全固体電池について講演したことがあるが、私はその時から全固体電池について懐疑的な発言を続けている。状況としては今も何も変わっていない。電気自動車(EV)化が加速する現在、国内外の自動車メーカーが早期に全固体電池を実用化すると公表しているが、そのバラ色の未来を信じ、言葉だけに酔っているような雰囲気があるのではないだろうか」

◆…全固体電池の実用化には何が最大の課題なのでしょうか。続きは本紙で

<名古屋大学未来社会創造機構客員教授・佐藤登氏、高価格の解決なりえず、新材料の適用に期待>

◆…車載用ではポストリチウムイオン2次電池(LiB)として全固体電池の実用化に注目が集まっています。
 「全固体電池を語る前に、現状の電解液を使った液系LiBの車載電池市場を整理する必要がある。自動車メーカーはEV(電気自動車)へのシフトを加速しているが、世界各国で補助金頼みの政策となっており、EVの価格が高すぎて補助金なしには売れないのが現状だ。EVの価格は3~4割がLiBの価格。このうち、6~7割が正極材や負極材、電解液、セパレーターといった部材の価格となる。そこで自動車メーカーは1キロワット時当たり100ドルという命題を突き付けている。したがって、部材を含めた電池コストの低減対策に力を注がなければ実現の可能性は低い。この電池価格要求に対し、全固体電池は解になり得るか。製造プロセスや材料価格の観点から、現状では到底、解決策になり得ることはない」

◆…では、全固体電池がここまで期待される理由とは何でしょうか。続きは本紙で

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