世界各国による薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)は、新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験(P3)についての検討事項などを公表した。6月に電話会議形式で開催されたワークショップで、各国の薬事当局がP3デザインなどを議論し、見解をまとめた。P3は、感染者や既往症のある高齢者も含めて数千人規模の症例を登録し、さまざまな人種で行うことが望ましいとした。有効性については、各ワクチン開発で評価項目を統一し、「厳格な成功基準」で評価されるべきとした。ワークショップには医薬品医療機器総合機構(PMDA)も参加しており、今回公表された検討事項の日本語版を準備中という。

 6月22日に新型コロナワクチンの開発に関する第2回ワークショップをオンライン開催し、P3で求めるデータや検討事項について各国当局の代表者らが議論した。世界20カ国以上の規制当局が参加し、米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品審査庁(EMA)が議長を務めた。

 P3は、プラセボなどの比較群を設定し、無作為化、二重盲検で行うことを求める。観察期間は接種後1年以上。症例数は「数千人規模」とした。まずは非感染者に対する有効性を評価するが、感染歴がある集団のデータも収集されるべきとした。既往症がある高齢者や小児のデータも重視する。また、さまざまな人種・民族を組み入れることも望ましいとしている。

 有効性の評価基準については「有効性を説得力を持って実証できるような厳格な成功基準で設計されるべき」としたが、具体的には定義しなかった。各ワクチンの有効性などを比較しやすくするため評価項目は標準化されていることが望ましく、感染の確認や重症度で評価すべきとした。

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