塩野義製薬は、月内に新型コロナウイルスワクチンの最終段階の臨床試験3本を開始する。すでに承認されているワクチンと中和抗体価などを比較する治験、ファイザー製などを2回接種ずみの人に対する追加接種治験、発症予防効果をプラセボと比較する治験を国内外で実施する。一方、先ごろ開始した第2段階の国内治験は、目標とする3000人の登録が今月上旬には完了する見込み。年内の承認申請と年度内の供給開始を目指す。

 同社は先月20日に第2段階に当たる第2/3相臨床試験(P2/3)を国内で開始。開始4日間で2000人を超える登録が完了したという。来月にも速報データが出て、年内にも承認申請手続きを行う。

 並行して月内に始める最終段階の治験のうち、最大の課題であるプラセボ対照治験は、ベトナムなどアジア地域を中心に実施する予定。実用化された場合はベトナムにワクチン技術を供与して同国でも生産可能にすることも視野に入れる。実際の発症予防効果まで証明するため時間はかかるが、世界保健機関(WHO)などに申請してグローバル展開への足がかりにしたい考え。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

メディカルの最新記事もっと見る