中国の2020年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4・9%増と2四半期連続でプラスとなった。世界に先駆けてコロナ禍からのV字回復を印象づけた格好で、化学大手の巨化集団も安定した事業環境を追い風に業績は堅調だ。得意のフッ素ケミカルに加え、巨大石化コンプレックスへの参画で今後は石化事業の規模も広げ、中国を代表する総合化学メーカーへの道をひた走る。胡仲明董事長は次期5カ年で半導体や食品包材など付加価値分野でのプレゼンス拡大も急ぐ。

 ◆…年初から足元までの事業状況について。

 「中国の石油・化学産業全体が新型コロナウイルスの衝撃を受けたことは事実だ。だが、われわれは原材料を迅速に確保し、春節(旧正月)中も安定生産を維持した。上期の業績への影響は比較的軽微だったといえるだろう。フッ素化学品事業は堅調に推移し、冷媒の売り上げは前年より10%程度伸びている。塩化ビニリデン樹脂(PVDC)など食品包装材料についても、コロナ禍にともなう生活様式の変化で需要が増え、価格も上昇するなど追い風が吹いている。製品市況下落の影響はもちろんあるが、他社と比べ落ち込みは大きくない」

 ◆…半導体などエレクトロニクス産業は年初から高稼働が続いています。続きは本紙で

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