キヤノンメディカルシステムズは、長崎大学と共同で新型コロナウイルスの遺伝子検査システムを開発したと発表した。まずは各地域における検査体制強化の一環として、結果を迅速に提供できる検査機会の拡大策といった運用法の企画開発や検証を進める。地域の実情に合わせた検査体制のニーズに応え、段階的に研究範囲を広げていく計画だ。
 両者は栄研化学が開発のLAMP法を原理とした検査システムの開発に着手。1回の検査時間が25分以内、陽性検体は15コピー以上のウイルス遺伝子を約10分で検出できる性能を実現した。重症急性呼吸器症候群(SARS)の病原体である「SARS-CoV」は検出せず、高い検出特異性を確認したという。
 患者検体から新型コロナウイルス遺伝子を検出するまで約4時間を要する現行のリアルタイムPCR法と比較し、同程度の感度で検体の前処理操作(ウイルス遺伝子の抽出)を含めても40分以内と、より短時間でウイルスの遺伝子検出を可能にした。装置は軽量・小型で操作性に優れ、医療現場や離島などでの使用にも向く。同検査システム1台で1日当たり(8時間換算)224検査以上が可能としている。

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