新型コロナウイルスの感染拡大が、米国での新薬承認にも影響を及ぼしそうだ。米国食品医薬品局(FDA)は、海外で予定していたGMP査察などの延期を決めたのに続き、4月に予定していた国内の会議も延期する方針だ。新薬などの承認申請を審議する諮問委員会も対象としており、すでに延期されたものも出てきた。FDAはテレカンファレンスなどの対応も検討しているが、会合の開催延期が長期化すれば、新薬の承認審査にも遅れが生じる可能性がある。
 FDAは先週、緊急性の高い会合を除き、4月に開催予定だった「必須ではない」すべてのミーティングを延期、またはキャンセルすることを明らかにした。ただし通信環境が整えばリモート参加による開催もあり得るとしている。
 今月11日に開催予定だった非処方箋薬の諮問委員会は延期され、4月2、3日に予定していた血液製品の諮問委も延期が決定。同月は医療機器(16日)、肺・アレルギー(21日)、整形外科・リハビリテーション用機器(23、24日)などの諮問委も予定されているが、同様に延期される可能性が高い。一方、5月8日の細胞・組織・遺伝子治療の諮問委はテレカンファレンスでの開催が予定されている。
 FDAの優先審査対象として受理され、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)による審査期限が設定されている医薬品であっても、会議などの開催延期が続けば遅れが生じる可能性があるという。

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