英アストラゼネカ(AZ)が開発中の新型コロナウイルスワクチンは、日本向けに1億接種分を供給する方向で検討されていることも分かった。パスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)が20日の記者会見で明らかにした。特例的な措置による早期実用化を狙っている。

 同社のコロナワクチンは海外で第3相臨床試験(P3)段階だが、日本でも国内P1開始に向けて準備している。ソリオCEOは、日本向けに1億接種分を供給する方向で日本政府と交渉中であることを明らかにし、「近く合意できると期待している」とコメント。「国内試験の結果を待ってからの薬事承認となれば、日本向けの供給は遅くなる」と話し、試験結果前の緊急的な承認に期待を示した。同社は先月、日本向けワクチンの供給に向け第一三共、明治ホールディングス子会社とも協議を始めたと発表している。

 ソリオCEOはまた、全世界でのワクチンの供給開始が「年内に」ずれ込む見通しを明らかにした。9~10月ごろを見込んでいたが、英国で感染者が減少したため症例登録に時間がかかっているという。

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