キヤノンメディカルシステムズは、藤田医科大学と開発した人工知能(AI)によるびまん性肺疾患のコンピューター断層撮影装置(CT)画像解析技術を用い、新型コロナウイルスで発症する肺炎の診断支援を7月末から始めると発表した。新型コロナによる肺炎患者のCT画像は間質性肺炎の特徴に似ている。多くの新型コロナ患者を治療してきた藤田医科大と臨床への適用評価に乗り出し、2020年中の製品化を目指す。

 今回の適用評価で用いるびまん性肺疾患を中心とした解析技術はCT画像を使い、さまざまな肺疾患の結果生じる肺の陰影・形状情報から正常肺や粒状影、気腫性病変など肺の7種の形態的特徴をAIの機械学習により識別し定量化するもの。間質性肺炎の重症度と解析による定量的な結果には相関があり、放射線科医と解析による所見の一致度は十分なことが各種学会で報告されている。

 解析技術は被ばく量を抑えながら鮮明な診断画像を得られる自社のX線CT装置と組み合わせることで、より迅速で正確な診断へのサポートにつなげる狙いだ。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る