根岸英一氏(ねぎし・えいいち=米パデュー大学名誉特別教授、帝人名誉フェロー)6日、米インディアナ州の病院で死去、85歳。
根岸氏は1958年に東京大学工学部卒業後、帝人に入社。60年に休職し米ペンシルベニア大に留学、63年に博士号を取得した。69年に帝人を退社、パデュー大助教授などを経て79年に教授となった。
有機合成化学の新たな触媒反応「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング反応」開発により、北海道大の鈴木章名誉教授、米デラウェア大のリチャード・ヘック名誉教授とともに10年のノーベル化学賞を受賞した。
訃報を受けて帝人は「当社に対し、社会に対し、根岸先生の生前のご功績は言い尽くせるものではありません。そんな偉大なる先輩のご逝去を悼みますとともに、学術界および産業界への多大なるご貢献に感謝の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます」とのコメントを発表した。