楽天メディカルは10日、千葉県柏市やタカラバイオなどとともに、新型コロナウイルスの検査体制強化のための取り組みを始めたと発表した。新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波の到来が危惧されるなかで、医療崩壊が起きないようなPCR検査体制を敷くのが狙い。機材や試薬の供給などそれぞれが役割分担し、地域の実情に合った新たな連携モデルを創出する。

 参加するのは、柏市、柏市医師会、東京大学生命データサイエンスセンター、楽天メディカルジャパン、タカラバイオの5者。このほど合意にいたり、具体化への協議に入った。再度の流行期を迎えても地域で医療供給体制が継続できるようにすることを目指し、産官学医が協力していく。

 ①試薬や検査機材の安定供給②変異に備えた研究開発③地域に合った検査体制の構築と提供④地域医療への支援-の4つに取り組む。柏市をとりまとめ役に、医療従事者や病院の負担を軽減しつつ、患者に必要なPCR検査の機会を確保するのが目標だ。

 PCR検査キットなどの安定供給、検査法改良支援はタカラバイオが担う。唾液を用いた検査も対応予定。楽天メディカルはコーディネート役となり、検査拡充で生じるさまざまな課題解決に当たる。例えば、検体輸送はその一つ。楽天グループのノウハウも用い、円滑に行えるようにする。

 柏市内に立地する東大生命データサイエンスセンターは、解析技術に加え、ラボ設備も提供していく。柏市医師会は、新型コロナウイルス感染症と、その他の疾患対応が両立できる医療体制を整える。市内の国立がん研究センター東病院も協力し、医学的知見に基づく助言を行う。

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