新型コロナウイルス感染症の治療薬製造で、欧米製薬6社が協力することが分かった。各社は回復者由来の中和抗体などを治療薬・予防薬として開発している。今後の需要増に備え、製造能力や原材料などに関する情報を共有する。6社が米司法省に提出したビジネス・レビューに対し、同省が提携を容認する見解をこのほど公表した。

 提携するのは、米イーライリリー、英アストラゼネカ(AZ)、米ジェネンテック、米アムジェン、英グラクソ・スミスクライン(GSK)など6社。抗体医薬の製造施設や製造能力、原材料などに関する情報を共有し、効率的な量産体制を整える。実用化した場合の薬価や製造コストについては共有しない。

 各社が開発しているのは、回復患者などの中和抗体からコロナウイルスにとくに有効な抗体を抽出した抗体医薬。イーライリリーは先月、抗体医薬で初めての臨床試験を開始している。各社がそれぞれ単独で今後の需要増に対応するのは難しいため、「非競争領域」で協力する。

 抗体医薬では、米リジェネロン・ファーマシューティカルズも開発が進んでおり、今秋にも米国向けに量産を始める計画だが、同社は提携に参加していないもよう。

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