武田薬品工業は米ノババックスから導入した新型コロナワクチンを追加接種する臨床試験を国内で開始した。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを2回接種(初回免疫)した人を対象に、ノババックス製を異種混合接種した場合の抗体価や安全性などを評価する。武田は海外の臨床試験データを提出して追加接種の適応もすでに承認申請しており、この補足のため、国内治験も行う。

 初回免疫から6~12カ月経過した20歳以上の日本人150人を対象に、ノババックス製ワクチンを追加接種する臨床試験を行う。外部の治験登録情報によれば、3月29日が症例登録の開始予定日。初回免疫はノババックス製ではなく、承認ずみのmRNAワクチン接種者を対象とする。プラセボ群などの対照群を設定しないオープンラベル試験で、野生株に対する中和抗体価の変化量や有害事象の頻度を評価する。ノババックス製はウイルスたんぱく質の一部を使う「組み換えタンパクワクチン」で、mRNAとの異種混合接種による効果も注目される。

 武田は昨年12月にノババックス製ワクチンを厚生労働省に製造販売承認申請しており、今月18日の専門家部会で審議予定。同社によると海外の試験結果を根拠にして追加接種の適応も一緒に申請しているため、初回免疫、追加接種ともに承認される可能性が高い。同省はノババックス製を主に追加接種用として活用したい考えを示している。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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