化学工業日報主催のオンラインセミナー「車載電池の世界的動向と素材メーカーへの期待」(https://www.chemicaldaily.co.jp/seminar/0526/)が26日、ライブ配信の形式で開催される。講師は、電池業界で世界的に知られる雨堤徹氏と佐藤登氏。配信に先立ち、リチウムイオン2次電池(LiB)の現状や全固体電池の将来展望、そして化学メーカーに期待することなどを聞いた。(聞き手=加藤木学)

<Amaz技術コンサルティング合同会社代表・雨堤徹氏>

▼…車載用LiBに求められることは。

 「現状では“これでなければいけない”という電池はない。すでにEV(電気自動車)で実績のある自動車メーカーも存在するが、さらなる普及には電池のコストダウンが最大の課題だろう」


▼…材料価格で考えた場合、正極材にリン酸鉄リチウムを使うことがコスト対応策となるのでしょうか。続きは本紙で

<名古屋大学未来社会創造機構客員教授/エスペック上席顧問・佐藤登氏>

▼…日本の車載用LiBメーカーは中韓勢に比べ遅れを取っている印象があります。

 「確かにスピード感の観点では日本勢は見劣りするが、2つの優位性があると考えている。一つ目は、ハイブリッド車を含めれば日本の電動車が一番進んでいるという点だ。電動化の技術は日系自動車メーカーが先頭を走っている。この流れに日本の電池メーカーもしっかりとついていき、強固なパイプを構築できれば、決して負けるシナリオにはならない。もう一つのアドバンテージは、EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)で火災事故が起きていない点だ。中韓製の電池を実装したEVやPHEVでは火災事故が多発している。しかし、日本製の電池による日本の電動車での発火事故は25年間にもわたって発生していない。これは誇れることだ。開発の時点から安全性と信頼性を高い次元で確立できているからだ」

▼…安全性といえば全固体電池の研究も進んでいます。続きは本紙で

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